もやし大学生の「やるしかねえよ」

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ハシリコミーズ1stアルバム『無理しよう!』全曲レビュー・感想「あの子」はなぜ「地球のモノ」になったのか?

 

序文

こんにちは、かつてもやし大学生だった社会人3年目の者です。今回は僕がここ1年ずっとハマっているハシリコミーズの1stアルバム『無理しよう!』(2020)を、勝手に全曲レビューします。

『無理しよう!』ジャケ。アタルは絵が描ける。すごい。無断転用なので怒られたら消します。

ハシリコミーズはアタル(Gt.Vo)、あおい(Ba.Cho)、さわ(Dr.Cho)のスリーピースバンド。バンド名の由来は、アタルが高校時代に陸上部でした“地獄の走り込み”から来ていると、ライブのMCで話していた覚えがあります。

 

この一年で『たまには下と比べましょう』『本当の綺麗がわからない』というタイトルのシングルが出ているように、彼らの詞は“ニヒリズム200%”なんて言葉で表現されることもあります。だけど僕のイメージでは、彼らの詞はニヒリズムという言葉から想像されるひねくれたものではありません。誰もが時折「あれ?」と感じるはずの「世間の感覚と自意識との“ズレ”」を、素直に簡潔に言葉にしている、そんな詞だと感じます。加えて、綺麗事では済まされない自分の「身勝手さ」を、自覚的にストレートに表現している、これもハシリコミーズの詞の特徴であり魅力だと感じます。

そんな身近で素直な詞の一方、音楽には楽しく激しいパンクの勢いがあるうえにちょっとオシャレで、スリーピースなのに超華やか。どことなく3人の育ちのよさが滲み出るような上品さも、歪んだエレキギターもカッコいい。ライブで見ると、とにかくアタルの“スター感”がやばい。ストレートなのに最高に華のあるバンドです。

 

前置きが長くなりましたが、早速全曲レビューに参りましょう。

 

全曲レビュー

 

#1. 『インターバル』

アルバムタイトルの『無理しよう!』の詞で幕を開けるファーストナンバー。「無理しよう、やるべきことできてないし」と、一見意識の高い真面目な青年が言ってそうなセリフだが、ハシリコミーズの世界では「やるべきことが何かは分かってないけど、とにかくテンション高く無理しちゃおうぜ」いう潔さとシニカルさを含んでいるように感じる。感覚はまさに「ハシリコミ」に似てる。ちゃんと意味を理解してやってるわけじゃないんだけど、なんかテンション上がって楽しいんだよね、あれ。

パンチラインは「そんな理想は雲の上、俺が今いるのはデパ地下のアジア料理」。デパ地下でアジア料理食ってるやつは、そりゃやるべきことやってねえよな、と思えてしまう。孤独な部屋にひとり籠もるでもなく、学校サボって映画館いくでもなく、「デパ地下のアジア料理」。育ちの良さが滲み出るような、そんな自分も省みるような違和感と閉塞感の表現、最高です。

 

「揶揄しよう、そんで照れて抱きつこう そんな理想は雲の上、俺が今いるのはデパ地下のアジア料理」

 

#2. 『金持ち東大前』

タイトルから詞から構成まで、どこまでも直球な名曲。シチュエーションは、別れることが決まっている彼女と最後に東大前で会う、というところだろうか。

彼女がSupreme着てる、まじで悲しくなる今日この頃」これが全てじゃないだろうか。僕といるときには着てなかったSupremeを着ている事実がやるせなくムカつく。

「服を脱げばカワイイ」は、付き合っていた僕が彼女に送る、あまりにストレートな負け惜しみと未練なのかも。

 

「こんな僕でいいのかな あんな奴でいいのかな 別れたくない 服を脱げばカワイイ」

 

#3. 『ジャンゴ』

ライブの定番曲。ウォーキングベースの心地いいAメロに、アタルの気持ちよさそうなメロディーラインが乗る。「走らなくてもいい場所でも走ってしまう」と青春のありあまるエネルギーを歌ったすぐあとに、「君が僕を求めてるとき、僕は求めてない」と、思わず「んん!?」と立ち止まってしまう詞が入る。

誰もが一度は感じたことがあるだろうこの「自分の身勝手さ」を、こんなに素直に歌えるアーティストがどれだけいるだろうか。超ストレートな事実と簡単な日本語、そこから伝わってくるタブー感と、ある種の潔さ。誰しもがそういった一面を持っているはずなのに、自分の身勝手さ・悪意を自覚していないと、こんな詞は書けない。僕がハシリコミーズを好きになった瞬間である。

ちなみに2022年7月リリースのシングル『たまには下と比べましょう』にも、これと同じ切れ味を感じる僕の大好きな詞がある。「先生の話は頭をすり抜けて、僕はあの子と別れたらって妄想して」。誰もが一度はしてしまう、身勝手な妄想。それに気づいて、詞にできるのは明らかに才能だと思う。

 

「そううまくはいかないけど 諦める勇気もない」

 

#4. 『うすい夏』

この曲の詞の意味は、正直よくわからない。が、類推すると、「夏休みどうだった!?」と聞かれ、ショージキ“うすい夏”を過ごしたアタルが、どーでもいい嘘をつきまくる、そういう歌なんだと思う。

「冬休みの予定がないけど 夏休みはあったのに」「夏休みの予定がないけど去年まではあったのに」「去年まではあったの 犬がそばにいたの 全部嘘の話」

「夏休みどうだった!?」なんてある種どうでもいい会話に、なぜかつかなくていい嘘をついてしまう、この感じを歌にしたのかな!?それなら僕もわかるのです。なぜかいつも、つかなくていい嘘を適当についてしまうから。だけど、「犬がそばにいた」ことだけはほんとっぽい、そこがちょっとかわいい。

 

「去年まではあったの 犬がそばにいたの 全部嘘の話 犬がそばにいたの」

 

#5. 『浅はかな僕らの旅プラン』

この曲までの5曲は、歌詞にタイトルが出てこない。以降6曲目以降は歌詞からタイトルが取られているので、タイトルの付け方とかもちょっとずつ変わっていったのかなと感じる。

この曲も内容はよくわからないが、「浅はかな僕らの旅プラン」のせいで、あの子との夏休みの旅行はあんまりうまくいかず、彼女に迷惑をかけてしまった、そういう流れなのだろう。

ただ、ここでもアタルの「身勝手で素直すぎる感覚の言語化」が炸裂。「君が女を捨てる前に 明大前のババア、すでに女を捨てている ああならないように」。めちゃくちゃ過ぎて笑ってしまうが、全く脈絡のない話でもない。あまりうまくいかなかった旅の帰りって超疲れるし、お互いに対する思いやりも欠けてくる。旅行から帰ってきて明大前駅にいたババアと、疲れて愛想の悪い彼女を見比べて、そういう身勝手で最低な想像をしてしまったのではないかなあ。

 

「君があの子が君が女を捨てる前に 明大前のババア、すでに女を捨てている ああならないように」

 

#6. 『待ってよーぜ』

自分と違うところもあるけど、気の置けない話のできる友達について歌っている歌なのかなと。「あいつができりゃ俺もできる、君ができたらただヘコむ」と、相変わらずの身勝手な感覚を歌いつつも、「君が悲しんでくれたらたかがそれだけで十分」と素直な詞も入る。青春の友情ですね。

 

「流行りを聞いてる君はどこにいる 笑い飛ばした それで十分、ずっと十分 たかが百年」

 

#7. 『50になったら』

アルバムで唯一、アコギに載せてスローテンポに歌い上げるバラード。ライブではアタルがアコギではなくキーボードを弾く。

素直で直線的な歌詞は他と同じだが、全作品のなかでも屈指の感傷的な歌だと、個人的には感じる。高校時代の日々を一緒に過ごした人とはお互い「飽き飽きしてきた」。卒業した後も、10年は連絡も交流も何にもなくていい。むしろ、交流はしたくない。でも、50歳になったら、ジジイとババアになったら、この日々を一緒に懐かしめると思う。そういう思いを歌っているのかなあ。

お互いを大切に感じていたからこそ、「飽き飽きしてきた」ことを自覚するのはつらいことだ。「50になったら純粋に懐かしむことができる」というのは、君に飽き飽きしたことにショックを受けている、そのことを受け入れるには時間がかかる、でもこの楽しかった日々を忘れたくない、という事実の証なのではないか。

 

「卒業してから10年くらいは何にもなくていいから 50になったらまた会いたいと誘ってくれ」

 

#8. 『髪の匂い』

あおいちゃんとアタルのダブルボーカルが新鮮な、青春疾走系のストレートなナンバー。「朝の匂い、ゴムの匂い」と青春一直線な描写に、「どんどん別れの時期がくる」とハシリコミーズらしい刹那的な諦念も忘れない、爽やかなロックンロール。さわちゃんの「ワンツー」のかけ声もかわいい。

 

「だんだん いつもの音がする 朝の匂い、ゴムの匂い」

 

#9. 『ズレた観点』

個人的に大好きな曲。時々ライブでやってくれるので、本人たちも好きなのかなと考えると嬉しい。

「ふたりでいれば十分だった」「いつも僕のものだった」あの子が、今はそうじゃなくなってしまったという歌なのだが、今の彼女を表す言葉がぶっ飛んでいる。あの子は「今では歴史と化している」「今は地球のモノになって」いると言うのだ。

この感覚・言葉をあえて解説するなら、「誰に説明する必要もない、ふたりだけの絶対的な時間」が、今では「歴史」のように相対化されたものになってしまった、地球上に溢れる数多のラブストーリーのひとつに還元されてしまった、という感覚なのだろうか。

あの時のあの子との最高な時間も、そしてあの子自身も、いずれ「地球のモノ」になってしまう。この無常観と「ズレた観点」を、人はどれだけ素直に持ち続けて生きていけるだろうか。

 

「あの子はいつも僕のものだったのに今は地球のモノになって ズレた観点でレッツゴー」

 

#10. 『プレハブ』

1stアルバムのラストナンバーを飾る、勢いマシマシ、一直線のシンプルなロックチューン。「カワイイ君とは趣味があう」「上から膝まで愛してる君も同じことを言うだろうね」と浮かれ具合100%の詞を並べた上で、ラスサビで突如歌われる詞に注目。

プレハブに壊された丘には夢がある

いきなりどうしたんだ。どういう意味なんだ。それが説明される間もなくノリノリロックチューンは終わってしまう。でも、なんとなくニュアンスは伝わる。「プレハブに壊された丘には夢がある」。こういう見逃しがちな感覚を見つけて、ストレートに言葉にするのが本当にうまい。

僕は高校時代あまり強くない野球部に入っていた。高校の狭いグラウンドに先日6年ぶりに行ったら、校舎の建て替え工事中で、グラウンドの半分がプレハブの仮校舎で埋まっていた。プレハブが建てられる前の場所には、どこかの誰かの夢が詰まってるものなのだ。

 

「プレハブに壊された丘には夢がある」

 

まとめ

自分語りをすると、僕は小学校から大学までうまくもない野球をずっとしてました。その一方でピアノもちょっとやって、パンクロックを好きになって、1人で好きな曲を聴き続けていました。そういう自分にとって、スターに見えるアタルが陸上部に入って、クラッシュの『白い暴動』に衝撃を受けたなんて話して、Theピーズと対バンをして、「ハシリコミーズ」なんて投げやりなバンド名をつけちゃうところに、なんとなく勝手に共感してしまうのです。

僕は「音楽をやりたいなあ」と考えながら結局何もせず、社会へのレールの上で「ハシリコミ」して、大学卒業してサラリーマンになり3年目を迎えました。そんな自分と3人を勝手に比較して、「いいなあ」って嫉妬してしまう。でも、そんな嫉妬をぶっ飛ばしてしまうくらい、3人にはスター性と華があって、ストレートなロックンロールをぶちかましている。こんなに純粋にカッコいいと思えた同世代(年下だけど)のバンドは初めてでした。

これからも彼らの新しい音楽を聴けると思うと楽しみでなりません。

 

なぜか「週刊誌編集者」になった25歳の宣言

皆様こんばんは、元もやし大学生だった者です。社会人生活も早3年目に突入しました。先ほど、大学時代に野球部で同期だったY君から「当時(大学4年生)の精神状態とか含め面白かったので共有しておきます」とLINEメッセージがあり、3年前に彼が書いていた文章が送られてきました。当時はコロナ禍1年目で、我々の生活の9割を占めていた部活が5か月ほど禁止になっており、就活、卒論などそれまで向き合ってこなかったイベントに独りで打ち込んでいた日々でした。野球ができない苦しみとマッチングアプリを始めた愚痴を綴ったY君の文章には、当時のやるせなさと諦めと、それを上回る熱量とサービス精神が詰まっていました。僕は、しょうもなさすぎる街・錦糸町のマンション、半分中身が残ったペットボトルと、渋谷のパルコで買ったクソ高いYシャツが散乱している部屋で、彼の文章をパソコンで読みながら、サラサラの涙がでました。

 

僕も大学時代は所感をウダウダ綴る文章をほんのり書いていたのですが、2年前に人生の謎すぎるターニングポイントである週刊誌配属を経験してから、精神的余裕も時間的余裕もなく黒目ばっかり大きくして過ごしてきたので、最近全然ウダウダ所感文を書いていませんでした。書く文章と言えば、わいせつ事件とSEX記事の原稿の他、僕を連れてガールズバーでくだをまき「こいつ童貞なのよ」と言って「やだー」「でも最近そういう子多いんでしょ?」と女店員に返答させる40代ライター宛ての「先日は楽しい夜をありがとうございました」から始まる御礼のメールばかりでした。

 

青天の霹靂だった2年前の週刊誌配属以降、人生は一変したと言っても過言ではありません。高市早苗蓮舫の違いさえわからなかった僕ですが、今や全国的には全く無名なのに「美人市議」というだけで限られたごく一部でもてはやされている女性政治家の旦那について、1日の大半を費やして調べている日々です。プランを出したとき、上司であり見たことないレベルで美人でセクシーな女性・Aさんは「もやしくんもスクーププランを出せるようになってきたんだね」と目を潤ませながら(多分)褒めてくれました。僕はAさんが着てるなぜか胸元に穴が空いているニットのワンピピースを見ながら「これからさらに頑張ろう!」と思いました。こんな人生は3年前には全く予想していませんでした。

 

週刊誌配属になってからこれまで2年間、毎週のプラン会議のたびにクソみたいなプラン表を提出し、「ネタを取らなきゃいけない」と泣きそうになりながら思い、闇雲にチャラそうな人間に声をかけ、酒を飲んでは「なんやねんこれ」と拗ねて深夜に帰宅し、カプセルホテル同然の錦糸町のクソ部屋で寝るという生活を繰り返していました。「ネタとらなきゃ」と決意する日はなぜか「他の人ができるならオレもできるはずだ」という謎の確信に満たされるのですが、毎回毎回現場でよく知らん東京の人とコミュニケーションを取るために無駄に酒を飲み「しょーもない人間死ねや」と感じて拗ねるので、当然結果は出ません。

 

そもそも小学校時代から野球と相撲中継以外のテレビ番組を全く見ずに育ち、野球部という狭すぎるコミュニティーにしか属したことがなく、御年25歳まで童貞、YouTubeのオススメ欄は野球とポケモンとカネコアヤノと2chまとめで埋まっている人間がスクープをとるというのは土台無理な話だということを自覚したのは、ごく最近のことです。Aさんも上司のBさんも、スクープをとるために当然のごとく年上の偉い東京の人と会食に行き、毎日ニュースと週刊誌を読んで情報収集しています。そんな世界で、毎週のプラン会議がつらいという理由だけの僕の付け焼き刃「スクープ取りたい」精神が輝くことなんて、まずないのです。異様に生徒から嫌われていた中学野球部の顧問、通称“ハラセン”は「寝るときにも夢のなかで野球してるか?それくらい好きじゃないとうまくならない」とどや顔で語り、当時の思春期部員から反感と顰蹙を買っていましたが、今ではハラセンの言葉がわかる気がします。AさんやSさんは夢のなかでもスクープをとろうとしているのだろうなと思います。僕は社会人になってから昔の野球の夢か、最近できた彼女とのエロい夢しかみません。

 

エロい夢と言えば、最近彼女ができて、僕の25年間の童貞人生はめでたく終止符を打ちました。身の丈に合わない彼女を手に入れ会うたびに手をつなぎキスをせがみ胸を揉み股間を膨張させSEXし頭パッパラパーになって朝に帰宅する生活を繰り返すうちに、渋谷のパルコで高い服を買い、「革靴なのになぜかスリッパ」という絶対にいらない3万円の靴を購入するようになりました。ただ念願の彼女ができ人並みの人生を手に入れて感じるのは、「俺に根づいたクソみたいな価値観は彼女ひとりで変わるわけじゃない」ということです。僕はずっと、「彼女ができたら俺のクソみたいな生活は終わる」と思い込んでいました。ペットボトルは帰ったらすぐ分別してゴミ袋に入れる。毎朝新聞読みながらコーヒーを飲み、洗濯物は洗ったらすぐ干す。週二回は自炊を楽しむ。ポストに郵便物は溜めない。LINEはすぐ返す。つかなくなったトイレの電球はすぐ替える。部屋に花を飾り四季折々の移ろいを楽しむ。そんな生活を夢見ていましたが、彼女ができて3か月がたった今、部屋にはペットボトルが散乱、ポストには新聞が溜まり、洗濯物は干す時間なくて近所のコインランドリーの乾燥機にぶち込み(臭くなる)、毎日松屋で微妙に身体を気遣った「チャプチェ牛丼大盛り」を食べ、LINEの未読通知は3桁たまり、トイレの電気はつかないまま、3か月前に買った花瓶は袋から取り出してもいません。そんな自分に嫌気が差すことも最近は少なくなってきました。

 

話がそれましたが、これからなにを頑張っていきたいかということを書きます。僕が大学卒業までに接してきたエンタメは、音楽とマンガと小説と映画とYouTubeで見れる漫才でした。つまりおおよそ現実と関係のないフィクションに夢を見て過ごしてきました。有名人とか、偉い人の経歴やゴシップに毛ほどの興味もありませんでしたし、そもそも知りませんでした。大谷翔平のバッティングとピッチングは本当にすごいけど、大谷の趣味はなにか、大谷の彼女は誰かについて、本当に心から気になったことは一度もありませんでした。ヒーローインタビューで差し障りのないおもんない内容をつらつら話し、毎度「頑張っていければいいんじゃないかなと思います」と意味わからん日本語をどや顔でのたまうショーヘイ・オオタニのことが嫌いになりかけることすらあります。現実の有名人を取り扱う週刊誌の仕事、向いていないなあと今も思います。早くマンガに異動したい、パンピーが自意識をこじらせて破滅するマンガを作り世のオタクを震撼させたいと、日夜しょうもない仕事帰りのタクシー車内で考えます。

 

けど、「自意識をこじらせて破滅する等身大のパンピー」を扱える仕事が、週刊誌の仕事のなかでひとつだけあることに、最近気づきました。それは「事件取材」です。事件取材とは、例えば安倍さんがぶち殺された時に、いち早くマスゴミの1人として現場にかけつけ、安倍さんをぶち殺した犯人や被害者の周りをハイエナのように漁り人の話を聞き、犯人の動機や人物像、破滅への道のりを自分勝手に推測して記事を書くお仕事です。この仕事の何がいいかというと、「事件」という社会性のある出来事を盾にして、事件が起こらないとスポットが当たることのなかった無名の等身大の容疑者の人生と破滅に、自分勝手に思いを馳せることができる点です。他人の人生に土足で踏み込み思いを馳せるなんてマスゴミの鬼畜の所業だと思う人も沢山いると思いますが、僕はそこにあまり罪悪感を感じないので、この仕事に向いているのかなと思います。僕が週刊誌関係の仕事で唯一得意なのは、事件後にその周辺の人に無遠慮に話を聞き出すことな気がしています。

 

1か月ほど前、岸田さんをぶち殺そうとした24歳の容疑者の事件取材で「これが得意だ」と自覚してから、芸能や政治スクープをとるために無理に偉い人やチャラい人と無駄な酒を飲むことがなくなり、「これをやればいいんだ」と人生が多少楽になりました。3年目の若僧がなにゆーとんねんと思うかもしれませんが、こういう気づきが得られてよかったと思っています。これまでの人生で、野球・ピアノ・パンクロックという明確に好きなものはありましたが、他人に評価されるような「得意なこと」はほとんどありませんでした。それを見つけられただけでも、なんとかはいつくばって週刊誌を続けてきてよかったと思えています。

 

今、午前2時です。深夜に久々にテンションが上がり、ウダウダ所感文を書けて嬉しいです。仕事、恋愛、趣味、人生、全てにおいて後悔のない人生を好きな人たちと共有することが、現状サラリーマンの僕が目指す幸せなのかもしれません。

 

 

【ポケモンUSUM S18使用構築】ステロメガメタグロス始動積みサイクル【最高1956(瞬間5位)、最終18XX】

皆様初めまして、TNじゃこでポケモンUSUMをプレイしていた、もやし野郎と申します。

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先日2月25日、PGLのサービス終了に伴い、USUMのレーティングバトルが終了しました。本当に楽しませてもらったゲームなので、最高レート1978(s13)と実績は皆無なのですが、記念に憧れであった構築記事を是非とも書きたいと思い、執筆に至りました。

 

稚拙な文章ですが、最後まで読んでいただけると幸いです。

 

 

 

 

序文

まずは皆さん、ポケモンUSUMお疲れ様でした!(とは言ってもこの時期までお疲れ様していなかった人はごく少数でしょうが…笑)剣盾発売後3ヶ月程経過しましたが、ポケ勢の皆様はいかがお過ごしでしょうか。

個人的には、部活や就職活動で時間がないこと、また金銭的余裕がないことから剣盾には手をつけられていません。ダイマックス環境楽しそうだし、時間ができたら手をつけたいなあと思っています。

今回は正真正銘のUSUM最終シーズン、S18で自分が使用した構築を紹介しようと思います。環境の煮詰まりとプレイヤーの激減、再戦の増加と難しいシーズンだったとは思いますが、比較的多くの構築にそれなりに戦える構築が組めたのではないかと思っています。

以下常体で失礼します。

 

 

構築経緯

まず初めに、ポケモン実況者のあみゅさんに影響を受け、性能・見た目ともに大好きになったメガバンギラスPokémon-Icon 248m1.pngを、最終シーズンに比較的多くのメガ進化ポケモンに強い龍舞型で使いたいと思い、構築の軸とした。

メガバンギラスは相手のPokémon-Icon 778.pngPokémon-Icon 286.pngPokémon-Icon 303m1.pngPokémon-Icon 448m1.pngPokémon-Icon 428m1.png等に対して隙を作る。これらのポケモン入りの構築に出していくメガ枠として、数値・汎用性が高く対面性能の高い耐久調整メガメタグロスPokémon-Icon 376m1 3DS.pngを採用した。

この2匹はカバルドンで止まるため、サイクル適性がありメガ枠2匹との相性もよいカプ・レヒレPokémon-Icon 788.pngを採用。さらに電気の一貫切り、高耐久への崩し枠として身代わり霊獣ランドロスPokémon-Icon 645a 3DS.pngを採用した。

ここまでで相手のPokémon-Icon 497.pngPokémon-Icon 798.pngにボッコボコにされるためバンギとも相性のよいスカーフカミツルギPokémon-Icon 798.pngを採用。最後に重いゲンガー入りの構築に出していける最速ウルガモスPokémon-Icon 637.pngを入れて、ここまででパーティの6匹が確定した。

当初はその対面性能を活かすため、メガメタグロスPokémon-Icon 376m1 3DS.pngは意地hAsで採用していたが、リザ軸に対しての選出ができず、その結果Pokémon-Icon 248m1.pngが気合玉リザYとそれに同居するPokémon-Icon 778.pngPokémon-Icon 286.pngに56されまくったため、リザ軸に選出できる様にPokémon-Icon 376m1 3DS.pngの型を陽気のステロ岩封型へ変更することを決断。

この変更によりカバマンダガルドが重くなったため、レヒレPokémon-Icon 788.pngの型を、1匹でその手の構築を詰ませるポテンシャルを持つ瞑想鉄壁型へ変更。さらにそれによって重くなった相手のPokémon-Icon 788.pngを吹き飛ばすために、ウルガモスPokémon-Icon 637.pngに草Zを持たせ、構築が完成した。

メガメタグロス以外のポケモンが、全て積みの手段を持っている(Pokémon-Icon 798.pngはビーストブースト)ため、卍ステロメガメタグロス始動積みサイクル卍命名した。

 

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個体紹介

メガメタグロス (NN:コースケ)

Pokémonsprite 376m1 ORAS.gif

持ち物:メガストーン  性格:陽気  特性:クリアボディ→硬い爪

配分:183(220)-175(76)-171(4)-x-132(12)-170(196)

技構成:アイアンヘッド 地震 岩石封じ ステルスロック

調整:

a…h252振りギルガルドPokémon-Icon 681.png地震で76.17%の確定2発

hb…a特化霊獣ランドロスPokémon-Icon 645a 3DS.png地震確定耐え

hd…c252振りメガゲンガーPokémon-Icon 094m1.pngシャドーボール確定耐え、

c252振りカプ・コケコPokémon-Icon 785.pngのEFスパーキングギガボルトを56.25%で耐え

s…最速102族Pokémon-Icon 445.png抜き

 

初手投げを想定して、多くの対面で行動保障を得られるよう耐久調整したステロメガメタグロス。NNは広島東洋カープの切り込み隊長、田中広輔から。リザグロスやテテフリザなどの対面構築によく初手投げした。

技構成は対リザガモス性能を確保するためのステロ・岩石封じは確定。タイプ一致&命中安定&怯みによる上振れを持つ最強技アイアンヘッドに、最後は全体で重いギルガルドPokémon-Icon 681.pngヒードランPokémon-Icon 485.pngへの打点として地震を採用した。このポケモンにステロを覚えさせたことで特にリザ軸への選出の幅も広がり、後続の積みポケモンのサポートも行える様になった。

Z技による瞬間火力が出せる第七世代において、メガ進化ポケモンはZ技が使えない以上、その数値の高さによる汎用性を活かすことが重要になってくる。その点で4倍弱点のない耐久調整メガメタグロスは、その驚異的数値を十分に活かせる強いポケモンであると感じた。

選出率4位。

 

 

カミツルギ  (NN:トモノリ)

Pokémonsprite 798 SoMo.gif

持ち物:こだわりスカーフ  性格:陽気  特性:ビーストブースト

配分:149(116)-222(164)-151-x-51-173(228)

技構成:リーフブレード 聖なる剣 叩き落とす 恩返し

調整:

a…h4振りミミッキュPokémon-Icon 778.pngをステロ込みリーフブレードで87.5%の乱数1発

hb…a特化ミミッキュPokémon-Icon 778.png剣舞後シャドークロー+影打ちをだいたい耐える

s…準速120族Pokémon-Icon 373m1 3DS.png抜き

 

気持ちHPに振った、普通のスカーフカミツルギ。NNは広島東洋カープの侍、前田智徳から。最初は剣舞Z型を使っていたが、相手のPokémon-Icon 798.pngに56されまくったのでスカーフに変更。

技構成は一致技リーフブレード、範囲の広い聖剣、サイクルを有利に運べる叩き落とすまでは確定で、前述のステロとあわせてリザYPokémon-Icon 006m2.pngを縛るために恩返しを採用した。

このポケモンとスカーフの相性は、わかってはいたがめちゃめちゃよかった。Pokémon-Icon 785.pngPokémon-Icon 786.pngPokémon-Icon 788.pngPokémon-Icon 658.png等の受けにくい高火力低耐久ポケを軒並み上から叩けたり、ギャラPokémon-Icon 130.pngカビゴンPokémon-Icon 143.pngなどのストッパーを務めたり。マンダやテッカグヤのいない構築には、選出すれば大体仕事をしてくれた(事実このパーティ自体もカミツルギがぶっ刺さっている)。有利対面は叩きか恩返しを打っておくと、だいたい幸せになれる。

選出率1位。

 

 

ウルガモス  (NN:リョースケ)

Pokémonsprite 637 XY.gif

持ち物:クサZ  性格:臆病  特性:炎の体

配分:161(4)-x-85-187(252)-125-167(252)

技構成:火炎放射 ソーラービーム 目覚めるパワー氷 蝶の舞

調整:CSぶっぱ、1舞で最速スカーフ霊獣ランドロスPokémon-Icon 645a 3DS.pngの上をとれるよう最速

 

ヒレやカバを吹き飛ばすクサZウルガモス 。NNは広(以下略)の鮮やかな守備職人、菊池涼介から。

Pokémon-Icon 376m1 3DS.pngPokémon-Icon 788.pngPokémon-Icon 479a.pngPokémon-Icon 645a 3DS.pngPokémon-Icon 094m1.pngPokémon-Icon 645a 3DS.pngといった並びに非常に強く出ることができる。レヒレに強く出るために、当初は耐久調整半分実の型で使用していたが、この手の構築にはウルガモスのストッパーとして最速スカーフランドロスを採用しているものが多々あったので、最速クサZでの採用となった。

技構成は命中安定の火炎放射(大文字ならPokémon-Icon 376m1 3DS.pngPokémon-Icon 778.pngへの乱数が良くなるが、どうしてもクソ外しにビビってしまった…)、役割対象のPokémon-Icon 645a 3DS.pngに対して打つめざ氷、ほぼ全てのPokémon-Icon 788.pngをワンパンできるクサZの媒介であるソーラービーム、最強の積み技である蝶の舞の4つで完結。

この型がウルガモスの一番強い(汎用性の高い)型かと問われれば、それは違うだろう。だが相手の処理ルート(最速スカーフランドや水Zレヒレ)を狂わせ逆に処理できる点や、この構築の穴を埋められるという点で、非常に優秀なポケモンであった。

選出率2位。

 

 

メガバンギラス  (NN:タカヒロ

f:id:kappa_elf:20171111083323g:plain

持ち物:メガストーン  性格:陽気  特性:砂起こし→砂起こし

配分:189(108)-202(140)-171(4)-x-141(4)-135(252)

技構成:ストーンエッジ 炎のパンチ 龍の舞 挑発

調整:

hb…無振りグライオンPokémon-Icon 472.png地震を確定で2発耐える

s…1舞で最速130族Pokémon-Icon 785.pngPokémon-Icon 094m1.pngを抜けるように最速

a…余り

 

崩しと抜きエースを兼ねる数値のバケモノ。NNは広島の巨大なエンターテイナー、新井貴浩から。後述するレヒレミストフィールドとの相性が非常に良く、相手の特殊アタッカーのストッパー+切り返しができる。

技構成は抜いていくのに必要な龍の舞、タイプ一致の高火力技ストーンエッジまでは確定。あとはバンギが抜いていきたい構築の裏によくいるナットレイPokémon-Icon 598.pngハッサムPokémon-Icon 212.pngを焼き殺すための炎パン。最後にポリヒトデPokémon-Icon 233.pngPokémon-Icon 748.pngやバナカグヤPokémon-Icon 003m1.pngPokémon-Icon 797.png等の受けの並びを崩すための挑発を採用した。

その数値と技スペックから7世代において自分が最も信頼していたポケモンであったが、ストーンエッジの命中が80であること、どうしても7世代の覇者・ミミッキュPokémon-Icon 778.pngに弱いこと、この二つの宿命からは逃れられない。さらに竜舞型はどうしても対面性能が落ちがちなので、相手の対面構築に対して選出しづらい。ただし弱点をきちんと理解して立ち回れば、生半可なサイクル系の構築を1匹で破壊できるスペックを持っていた。

こいつが強引に舞って敵を殲滅させる瞬間が、一番ポケモンが楽しい瞬間だった。

選出率5位。

 

 

霊獣ランドロス  (NN:ナカーザキー)

Pokémonsprite 645a XY.gif

持ち物:ジメンZ  性格:陽気  特性:威嚇

配分:165(4)-197(252)-110-x-100-157(252)

技構成:地震 撃ち落とす 剣の舞 身代わり

調整:

a…B特化ポリゴン2Pokémon-Icon 233.pngをステロ込み+2ジメンZで確定で持っていけるようぶっぱ

s…準速ミミッキュなどの上をとれるよう最速

 

受けサイクル・受けループを破壊するジメンZランドロス 。NNは広島の髭面の速球投手、中崎翔太から。当初はPokémon-Icon 798.pngPokémon-Icon 445.pngを起点にできるHBビルド身代わり型を使用していたが、遂行速度が遅いこと、ヌオーPokémon-Icon 195.pngを崩せないことなどからジメンZ型に変更した。

技構成はこの型のテンプレで、最強技地震、カグヤPokémon-Icon 797.pngを接地させる撃ち落とす、崩し性能を高める剣の舞、補助技を透かす・択の選択肢を増やす身代わりで完結。

ジメンZを切るタイミングなど択が発生しやすい型ではあるが、択をできるだけ回避しながら慎重に通していけば、めちゃんくちゃんに強いポケモンであった。型の匿名性が高いため、選出段階で相手に崩しの手段として見えにくいのも強い。

選出率6位。

 

 

カプ・レヒレ  (NN:ダイチ)

Pokémonsprite 788 SoMo.gif

持ち物:ウイの実  性格:図太い  特性:ミストメイカ

配分:176(244)-x-183(252)-115-150-107(12)

技構成:ムーンフォース 波乗り 瞑想 鉄壁

調整:

h…きのみ意識の4n

b…メガボーマンダPokémon-Icon 373m1 3DS.pngの特化1舞捨身タックルを耐えるために特化

s…少しでも相手のレヒレPokémon-Icon 788.pngの上をとれるように、余り

 

vsカバマンダガルドの最終兵器にして本構築のMVP、鉄壁瞑想カプ・レヒレ。NNは広島の打たれ強く心優しいエース、大瀬良大地から。

当初はCS水Zで使用していたが、環境におけるカプ・レヒレの処理ルートが、Pokémon-Icon 681.pngPokémon-Icon 788.png等のポケモンで適当に削りを入れ、裏のPokémon-Icon 373m1 3DS.pngPokémon-Icon 376m1 3DS.pngなどの高速物理エースの圏内に入れるというもの、さらには物理で役割集中をかけるなどといった動きが非常に多かったため、レヒレ対面で切り気味に動いてくる中火力ポケモンを起点にする鉄壁瞑想型を採用した。対面からであればPokémon-Icon 681.pngPokémon-Icon 373m1 3DS.pngPokémon-Icon 257.pngPokémon-Icon 130.pngPokémon-Icon 428m1.pngPokémon-Icon 233.pngといった範囲を安定して起点にできる。

このパーティーはマンダの処理ルートが限られている(バンギグロスの2メガ構築なのにマンダ強すぎワロタ)ため、調整はマンダにギリギリ後投げできるHB特化。型としては、相手のPokémon-Icon 788.pngに役割を持てる臆病HSのほうが強いかもしれないが、HBも物理の役割集中(Pokémon-Icon 645a 3DS.pngPokémon-Icon 130.pngPokémon-Icon 257.png)に強くなれるため、一長一短。

相手はこのポケモンがHBだとわかると、持ち物はまず半分回復実を想定して、回復実を食べさせない程度に適度に削る、といった動きをよくとってくる。その隙に積んで要塞化し、相手を詰ませるといった動きが本当に強かった。急所は確率上しょうがないので涙目退散。

選出率3位。

 

 

選出

vsカバマンダガルド(ツルギ入り)Pokémon-Icon 450.pngPokémon-Icon 373m1 3DS.pngPokémon-Icon 681.pngPokémon-Icon 798.png

グロス+レヒレ+ガモスPokémon-Icon 376m1 3DS.pngPokémon-Icon 788.pngPokémon-Icon 637.png

相手はPokémon-Icon 373m1 3DS.pngPokémon-Icon 658.pngから入ることが多い。マンダ対面は交代読みステロ(突っ張りやめちぇね)、ゲコ対面はカバ引きも見据えてレヒレバック。レヒレで詰めるか、ウルガPokémon-Icon 681.pngPokémon-Icon 798.pngを起点にしてぶち抜く(ツルギ重すぎ)。

 

vsカバマンダガルド(ポリ2レヒレ入り)Pokémon-Icon 450.pngPokémon-Icon 373m1 3DS.pngPokémon-Icon 681.pngPokémon-Icon 233.pngPokémon-Icon 788.png

→レヒレ+ガモス+バンギPokémon-Icon 788.pngPokémon-Icon 637.pngPokémon-Icon 248m1.png

相手は鋼ZPokémon-Icon 681.png、恩返しHDPokémon-Icon 233.png、最速両刀Pokémon-Icon 373m1 3DS.pngの選出で来ることが多い。初手のマンダに出し負けたくないので初手レヒレ。恩返し持ちPokémon-Icon 233.pngに対応できるレヒレで詰めるか、バンギでぶち抜く。バンギレヒレの体力管理が大事。

 

vsカバリザテテフPokémon-Icon 450.pngPokémon-Icon 006m2.pngPokémon-Icon 786.pngPokémon-Icon 286.pngPokémon-Icon 778.png

グロス+レヒレ+ツルギPokémon-Icon 376m1 3DS.pngPokémon-Icon 788.pngPokémon-Icon 798.png

相手はPokémon-Icon 006m2.pngPokémon-Icon 286.pngから入ることが多い。初手グロスで対面で通る技を選択し、相手がカババックしてきたらステロを撒いて、レヒレバック。ステロ+スカーフツルギで抜く。

 

vsヒトムグロスPokémon-Icon 376m1 3DS.pngPokémon-Icon 479a.pngPokémon-Icon 788.pngPokémon-Icon 645a 3DS.png

→ガモス+バンギ+ツルギPokémon-Icon 637.pngPokémon-Icon 248m1.pngPokémon-Icon 798.png

相手は意地Pokémon-Icon 376m1 3DS.pngかメガネPokémon-Icon 788.pngから入ることが多い。グロスが受かる選出ではないので、こちらのバンギと相手のグロスが対面しない様、注意して立ち回る。スカーフツルギで抜く(スカーフツルギ最強!)。

 

vsリザグロスPokémon-Icon 006.pngPokémon-Icon 376m1 3DS.pngPokémon-Icon 286.pngPokémon-Icon 362.png

グロス+ガモス+ツルギPokémon-Icon 376m1 3DS.pngPokémon-Icon 637.pngPokémon-Icon 798.png

相手はPokémon-Icon 376m1 3DS.pngPokémon-Icon 006.pngから入ることが多い。グロス対面は地震から入り、裏のガッサのためのステロを撒きたい。初手リザXフレドラは降参。

 

vsアゴギャラハッサムPokémon-Icon 804.pngPokémon-Icon 130.pngPokémon-Icon 212m1 3DS.pngPokémon-Icon 645a 3DS.pngPokémon-Icon 785.png

→ランド+バンギ+ガモスPokémon-Icon 645a 3DS.pngPokémon-Icon 248m1.pngPokémon-Icon 637.png

初手の相手のPokémon-Icon 645a 3DS.pngに合わせてこちらのPokémon-Icon 645a 3DS.pngで身代わり、剣舞で裏の起点にならないように立ち回る。アゴハッサムの並びをバンギ・ガモスで仕留めてGG。無振りギャラは、非メガ状態でも1舞ガモスのクサZで吹き飛ばせる。

 

vsランドゲンガー(ガルランド)Pokémon-Icon 094m1.pngPokémon-Icon 645a 3DS.pngPokémon-Icon 658.pngPokémon-Icon 115m1 3DS.png

グロス+ガモス+ツルギPokémon-Icon 376m1 3DS.pngPokémon-Icon 637.pngPokémon-Icon 798.png

初手のグロスは相手のポケモンの技ほぼ全てを耐える(悪Zゲコは大発狂)ので、S操作と対面処理を狙う。どこかでウルガで舞うか、ステロ+スカーフツルギでぶち抜き。

 

vsポリクチミミガッサ Pokémon-Icon 233.pngPokémon-Icon 303m1.pngPokémon-Icon 778.pngPokémon-Icon 286.png

グロス+レヒレ+ランドPokémon-Icon 376m1 3DS.pngPokémon-Icon 788.pngPokémon-Icon 645a 3DS.png

初手のHCトリルポリ2がどうにもならず、勝率はあり得んぐらい低い。なんとかしてステロ+ジメンZランドを通すしかない。鉄壁瞑想レヒレでの詰めもワンチャンあるかもだが、大抵はクチートの叩き落とすを喰らって木の実を食えず、餓死する。バンギ使いは一生クチートに勝てない。

 

vsポリヒトデ Pokémon-Icon 233.pngPokémon-Icon 748.pngPokémon-Icon 472.png

→バンギ+ツルギ+ランドPokémon-Icon 248m1.pngPokémon-Icon 798.pngPokémon-Icon 645a 3DS.png

バンギで削って荒らして、ツルギで持ち物を叩いて、ランドを通す。相手のPokémon-Icon 233.pngPokémon-Icon 748.pngPokémon-Icon 248m1.pngで挑発を押してトリルや黒霧・再生を阻止する瞬間が、一番脳汁が出る(普通に放電or熱湯打たれて状態異常ひいて発狂)。実況者のあおもりさんが使うポリヒトデ、大好きです。

 

vsつきやまパ Pokémon-Icon 094m1.pngPokémon-Icon 778.pngPokémon-Icon 797.pngPokémon-Icon 195.pngPokémon-Icon 113.pngPokémon-Icon 472.png

グロス+ランド+ツルギPokémon-Icon 376m1 3DS.pngPokémon-Icon 645a 3DS.pngPokémon-Icon 798.png

個人的に、カバマンダガルドと並ぶ7世代の結論パだと思っているパーティ。受けと攻めの両立、対面性能の維持、カバーできない範囲を計算できる運で乗り越えうるスペック、どれをとってもめちゃくちゃ強い。グロスでステロを撒いてランドでカグヤヌオーごと吹き飛ばしたかったが、催眠は当たる。

 

vsあみゅパ Pokémon-Icon 482.pngPokémon-Icon 788.pngPokémon-Icon 248m1.pngPokémon-Icon 681.pngPokémon-Icon 642a 3DS.pngPokémon-Icon 797.png

→ガモス+バンギ+レヒレPokémon-Icon 637.pngPokémon-Icon 248m1.pngPokémon-Icon 788.png

s18でマッチングしまくった、実況者あみゅさんのパーティ。個人的に大好きな実況者さんの一人で、メガハッサム+チョッキバンギの構築に影響を受けてバンギラスのことが好きになった。s18に潜り続けたモチベは、間違いなく「人事を尽くすアグノム厨」シリーズがあったから。

あみゅさんは大体Pokémon-Icon 788.pngPokémon-Icon 797.pngPokémon-Icon 248m1.png(orPokémon-Icon 642a 3DS.png)でくるので、レヒレカグヤを飛ばせるウルガと通りのいいバンギ、相手のバンギに投げるレヒレ。ただしレヒレはバンギに崩され得るので先に展開したかったが、いつもそれはさせてもらえず、結局お互いのバンギの自覚勝負になっていた。

自分のこの構築も、元はと言えばあみゅさんのレヒレ+バンギ+ガルドの並びが好きで真似て作ったものだったので、最終シーズンたくさん戦えて本当に嬉しかったです。ありがとうございました。

 

きつかったポケモン

メガボーマンダPokémon-Icon 373m1 3DS.png:このポケモンが初めにくるあたり欠陥。こいつありえんくらい強いから許してほしい。

HCトリルポリ2Pokémon-Icon 233.png:ポリ2の処理ルートが薄い上に、対面構築に入ってるこの型にはバンギを選出しづらく、ごく普通にトリルから3タテされる。

メガクチートPokémon-Icon 303m1.png:ガモスの型を耐久きのみから変更し、一気にキツくなった。

ボディパZテッカグヤPokémon-Icon 797.png:先に展開されるとランドでの処理ができない。ガモスもヒコウZで飛ばされる。

 

 

結果・感想

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(一応ここから2つ勝って1956まで行ったけど、順位上がってないし潜り続けていたら、それが最高順位でした…)

 

最高レートは1956と、目標にしていたレート2000にも届かず、決して満足できるものではなかった。シーズン最後の一週間はちょうど部活動の合宿とぶつかり、ほとんど潜れなかったのも痛かった。

 ただUSUMのs11に初めてレート対戦に潜り、最後の最後に、初めて自分の納得できる構築を自分で組めたこと、そしてs18に残り続けたUSUM環境が大好きな(?)ポケ勢と最後まで第七世代を楽しめたことは、本当にいい思い出になった。他のゲームはほとんどやったことないけど、ポケモンUSUMは最高のゲームだった。

ただ、ポケモンをプレイする上でどうしてもサイクル脳から抜け出せなかったこと、ゲッコウガミミッキュといった低耐久ポケの使い方・使われ方が最後までわからなかったことが、レート2000を達成できなかった原因かなと思う。もし剣盾をプレイする機会があれば、環境はまた違うだろうが、対面的な動きができるポケモンも食わず嫌いせずにどんどん使っていきたい。

 

  

最後に

本当に長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。好きなポケモンを使って勝つポケモンはもちろん、対戦に勝つためのポケモンも最高に楽しかったです。こんなに楽しいコンテンツを僕に知らしめてくれた、あみゅさんをはじめとするポケモン実況者の皆さんには感謝しかありません。

未来の自分がこの記事を読んで、こんな面白いゲームがあったな、こんな実況者が好きだったなと思い出してくれたら、そんなに嬉しいことはありません。

改めてポケモンUSUM、ありがとうございました!!

 

 

 完

 

 

THE BLUE HEARTS 1stアルバム『THE BLUE HEARTS』感想・レビュー

 

こんにちは、ブラックな飲食バイトをやめたくてもやめる勇気がなくやめられない、もやし大学生です。

 

今回は説明不要の伝説バンド、THE BLUE HEARTSのデビューアルバム、『THE BLUE HEARTS』の曲の感想・レビューをやっていこうと思います。

僕はこのアルバムと約1年前、大学2回生の始まりごろに出逢い、それ以降THE BLUE HEARTSを聴き漁ることになったのですが、このアルバムの強すぎるインパクトは、僕の人生をめちゃくちゃにしてくれました。もちろんいい意味で。

 

全12曲で合計34分というパンク・アルバムらしいまとまりの中に、甲本ヒロト真島昌利の新鮮で鋭い、それで優しい言葉と、シンプルでアグレッシブなサウンドが高濃度で詰め込まれています。2ndアルバム・3rdアルバムと比べると、剥き出しで粗削りな印象がありますが、それがこのアルバムの最高にイカした部分でもあり、21歳のクソ学生の脳ミソを直接揺さぶってきます。

 

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#1. 未来は僕等の手の中

#2. 終わらない歌

#3. NO NO NO

#4. パンク・ロック

#5. 街

#6. 少年の詩

#7. 爆弾が落っこちる時

#8. 世界のまん中

#9. 裸の王様

#10. ダンス・ナンバー

#11. 君のため

#12. リンダ・リンダ

 

#1. 未来は僕等の手の中

 記念すべきファーストナンバー、初っ端のどでかいドラム「ズッダンズズダン…」で鳥肌が立つ。ヒロトのドスのきいたシャウトから、ブルハの世界になだれ込んで行く。「僕等は負けるために生まれてきたわけじゃないよ」という力強い宣言に脳を揺さぶられる。リフのコード進行は今聴いても全く色褪せない新鮮さ。こんなリフ思いついたら気持ちいいだろうなあ。

 

#2. 終わらない歌

 1曲目の勢いそのままに、どでかいドラムから曲が始まる。内容は歌詞のままだが、力強くドスのきいた歌い方の中に、自分を含め全てのクズども・社会的弱者に、「明日には笑えるように」と歌う、ヒロトの確かな優しさを感じられるパンクの金字塔的名曲。

 

#3. NO NO NO

 「戦闘機が買えるくらいのはした金ならいらない」と、純粋な戦争批判をメロディアスに力強く歌う。社会に純粋にNOとぶつけることができるアーティストが今の時代一体何人いるだろう…

 「どこかの爆弾より目の前のあなたの方が震えるほど大事件さ僕にとっては」この歌詞にも着目したい。戦争はいけないとわかっているしそう訴えたいのに、それが実際には見えていないのは自分や社会の無力さでもあり、love&peaceの脆さでもある。

 

#4. パンク・ロック

 「僕パンク・ロックが好きだ」というストレート過ぎる歌詞が、ストレート過ぎるコードで力強く歌われる。周りの大学生でパンクロックが好きな奴を見たことがなく、彼女はback numberが好き、そんな僕にとって、この宣言には涙が出る。「中途半端な気持ちじゃなくて優しいから好きなんだ」。最も「優しい」パンク・ロックを歌うのは、間違いなくTHE BLUE HEARTSであろう。

 

#5. 街

 コンクリートアスファルト・毒ガス、そして「見せかけ・口先」…世間に溢れる「嫌なもの」を嫌なものと感じる仲間がきっといる、というメッセージをくれる歌。この曲に「街」というタイトルがついてるのは一体なぜなのか…個人的には街は「社会」とは違ってあったかい日常をくれる印象なんだけど…

 

#6. 少年の詩

 ドラマティックな展開を見せる名曲。社会に不満を持つ少年が主人公で、「誰のことも恨んじゃいない」けど、あげる声も風に消されて、ナイフを手にする、という筋である。「ナイフを持って立ってた」という表現は、心の中に持ったナイフかもしれないし、実際に手にしたナイフかもしれないし、誰かを傷つけたナイフかも知れない。ここでそれは明らかにされていないが、少年がナイフを手にするというイメージは悲哀と残酷性と、どこか美しさを孕んでいるように思える。

 

#7. 爆弾が落っこちる時

 「NO NO NO」と同様に、明らかな戦争批判が力強く歌われる曲。「爆弾が落っこちる時、全ての未来が死ぬ時…」と、爆弾という兵器の無差別性に対するやり切れなさが痛切に伝わってくる。「左も右も関係ないだろ」。今の「極左」「ネトウヨ」などと罵り合う社会に聞かせてやりたい…

 

#8. 世界のまん中

 「世界のまん中で生きていくためには、生きるということに命をかけてみたい 歴史が始まる前人はケダモノだった」世界の片隅と位置づけるような世間・社会や自分自身との決別、命を燃やす生き方の決意を歌った歌。生きるということに命をかけるというのは一見当然のように見えて、現代社会でこれができずに悩む人のどれだけ多いことか!生きるために生きることがどれだけ今難しく、そして尊いことか!

 

#9. 裸の王様

 童話「裸の王様」に登場する少年をモデルに、社会に対して「言えなくなるより怒られていたい」とNOを突きつける宣言を歌った歌。ヒロトマーシーのハモリが綺麗でかっこいい。

 

#10. ダンス・ナンバー

 ハイテンポに1分半程度で駆け抜ける名曲。「君のことを笑う奴はトーフにぶつかって死んじまえ」という歌詞がとても印象的。ブルハはパンクロックバンドと言っても、基本的に死んじまえなどといった言葉は使わないが、トーフにぶつかって、とは…ヒロトのユーモアセンスが光っている。君のことを笑うような奴は、トーフに頭をぶつけてそれを痛いと感じちまうような、おかしな奴なんだ、というメッセージだろう。浪人期バカになるまで聴いてました。

 

#11. 君のため

 このアルバム中唯一のバラード。「少年の詩」で「僕やっぱり勇気が足りない I love you が言えない」と言っていた通り、このアルバムにはラブソングが少ないが、この曲はその例外に当たる。相手を優しく包み込むような純粋な想いに涙が出る。あの子と初めて越える夜は、やっぱりこの曲を歌ってあげたいなあ。「ごめんなさい、神様よりも好きです」というセリフは、悲劇的でありながら感動的。

 

#12. リンダ・リンダ

 このアルバムを締めくくる、珠玉の名曲。リンダ・リンダとは造語で、ダーリンを反対に読んだ言葉だろうか。「ドブネズミみたいに美しくなりたい写真には映らない美しさがあるから」有名なフレーズであるが、これほどにこのアルバム全体を鮮やかに彩る歌詞があるだろうか。ドブネズミを誰よりも優しい、何よりも暖かいと表現できるのはブルハだけだし、そこに嘘は微塵も感じられない。「君のため」でみせた己無力さにも、「愛じゃなくても恋じゃなくても決して負けない強い力を1つだけ持つ」という堂々たる宣言を下す。涙なしには聞けません、ホントに。

 

〜〜〜〜〜〜〜

 

以上になります。どうだったかな、愛を伝えられたかな。僕がパンクロックにはまって、セックス・ピストルズ銀杏BOYZなどに出会えたのは間違いなくこのアルバムのおかげです。そして、このアルバムに込められたパンク精神と人間としての優しさは、永遠に僕の胸に刻み込まれたままでしょう。THE BLUE HEARTS、最高の青春を、どうもありがとう。

 

 

Theピーズアルバム「とどめをハデにくれ」レビュー

どうも、「思わせぶりビッチを全力で愛したいクソ童貞」こと、もやし大学生です。

 

ブログ初更新となる今回、僕の大好きなバンド、Theピーズの『とどめをハデにくれ』というアルバムの紹介をしていこうと思います。

 

こんな1993年発売、オリコン圏外の9曲しか入ってないアルバムのレビューをするのは、「女が多いという理由だけで履修したスペイン語授業(初級)」レベルに意味のないことかもしれません。

 

だけど、だけどです。

 

浪人した挙句親元離れて大学入学したのに、勉強でも部活でも己の圧倒的実力の無さへの絶望を繰り返すのみの日々を送り、「とうとういい夢も見れなくなった」僕が、好きだったB'z・AEROSMITHMetallica等のアルバムに代わって、耳に穴が開くまで無限回再生するようになったこのアルバム。

 

オラ、このアルバムへの想い文字にして、敬愛するTheピーズというバンドへの愛を形にして残してえんだわ。

 

ということで、さっそく紹介に入ろうと思います。

 

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『とどめをハデにくれ』(Theピーズ/1993)

1.映画(ゴム焼き)

2.好きなコはできた

3.日が暮れても彼女と歩いてた

4.みじかい夏は終わっただよ

5.今度はオレらの番さ

6.井戸掘り

7.手おくれか

8.日本酒を飲んでいる

9.シニタイヤツハシネ 〜born to die

 

〜〜〜〜〜

【総評】

並ぶ曲名からわかるように、明るい曲など1つもない。

一曲目に8分越えの『映画(ゴム焼き)』をぶち込んでくるあたり、まともな人間に「聴かせてあげよう」という気遣いは微塵も感じられない。

そしてなにより、アルバムタイトル曲『とどめをハデにくれ』が本アルバムに収録されていないのである(楽曲自体は次作アルバム『どこへも帰らない』に収録)。

 

たまんねえんだよな、、、、このめちゃくちゃさが、、、、

 

とらわれない、かといってそれを誇るわけでもない、『Theピーズ』というバンドの「間合い」に一発で引き込んでくる、そっけないながら強力で魅力的な、このスタイル。

 

さっきも言ったように、明るい曲など1つもないし、自分を肯定する歌詞なんて1つも出てこない。しかもこの自己批判は、今日の日本音楽界で溢れかえっている「承認欲求に裏付けられた自虐的歌詞」みたいな、なまっちょろい気色悪いものとは訳が違う。

『自分を正面からまともに見れねーよボロだもん』(シニタイヤツハシネ 〜born to die)

こんな救いようのない自己批判が、永遠と繰り返されるのである。その姿勢は、僕が愛読する太宰治の晩年期の作品群に共通するような、そんな感じがする。

 

しかしこのアルバム(というかTheピーズというバンド自体)の真骨頂は、この徹底した自己批判を続けながら、それでも「死ぬこともできずに」、ある種の開き直りを見せて日々を「生きのばし」ていこうとする、非常に力強い意思だろう。そして、その「生きのばし」の決心の源は、他者・世界に対する深い愛なのであって、自己を愛することができない他者に対する深い愛なのである。

 

だから僕はTheピーズが、このアルバムが好きなんだ。Theピーズも僕も、自虐を他者に簡単にできるような、結局自分で自分を愛せるようなシロモノではないのである。そんな中で、愛する日々を、愛する人と過ごすために、精一杯の「生きのばし」を続ける、これがTheピーズ、そしてこのアルバムのカッコよさなのだ。

 

〜〜〜〜〜

1.『映画(ゴム焼き)』

このアルバムの初陣を飾る8分越えの楽曲。ただし、この8分にはLed Zeppelinの『Stairway to Heaven』のようなドラマティックさは無い。『映画(ゴム焼き)』の刹那的な情景が、心地よいコード進行の中で、そして少し危険なロール感の中で淡々と描かれていく。

Vo.大木温之の投げやりでありながらエモーショナルな歌唱に、意味はわからないのにどうしても泣いちゃうんだよな…泣けるとかじゃない、泣いちゃうんだ…

 

「こんないい天気だってのに わざとヘンな船に乗った いやなモンを見ていた」

 

 

2. 『好きなコはできた』

投げやりでぶっきらぼうだけど、愛することができる人を見つけたことの喜びをストレートに歌った、そんなラブ・ソング。この曲も7分越え。

こんな自分にも好きになっていい、浮かれていい、そんなコがいるってこと!!それが何より嬉しいんだよな!!クソわかるわ!!

まあここでいかにもTheピーズらしいのは、タイトルが『好きなコ"は"できた』ってとこなんですわ…この曲から『日が暮れても彼女と歩いてた』『みじかい夏は終わっただよ』と続く3曲は3部作のようにストーリー的なつながりがあると思われるが、このタイトルの時点で最後の結末は想像がついてしまう…

 

「シラフでどこまでもルンルンするぞ 見つけたぜマジで」

 

 

3. 『日が暮れても彼女と歩いてた』

夕暮れの風景を想起させる、叙情的なTheピーズの必殺ラブ・バラード。ぶっきらぼうで刹那的な歌詞の中に不器用な愛が確かに感じられて、本当にかっこいい。

最後の「日が暮れても彼女と歩いてた…」という歌詞は、ライブでは気づくと「気が触れても彼女と歩いてた…」に変わっている。

そうなんだよな…夢の中でもいい、気が狂って見ていた幻想の中でもいい、ただ日常の風景の中で、彼女と歩いていたいだけなんだよ…

絡みつくような、泣いているようなギターが狂おしいほど感傷的。

 

「見ていたい、まだ見ていたい 何にも見当たらねえや オラ夢の中なんだ」

 

 

4.『みじかい夏は終わっただよ』

『好きなコはできた』『日が暮れても彼女と歩いてた』で幸せ、愛の温もりを感じていた主人公が、孤独な陰鬱の地獄に帰ってくるようなそんな曲。かなり危険なサウンドが最高に頭をぶっ壊してくれる。

だいたいそう、夢を見るのは夏で、夢を見てる季節ってのは一瞬で過ぎていくんだよ…終わってしまった、何も残らなかった夏を、夢を、ただ見つめる、そんな歌。

 

「私生活がメチャクチャだよ やりたいことはあったけどよ もうやりたいこともねーだよ」

 

 

5.『今度はオレらの番さ』

この曲は、個人的には大木温之がバンドメンバーについて歌った曲なのではないかと思っている。なんとなく同じような感覚を持った愛すべき相棒と、壊れてしまいそうな現実の中で開き直りをみせる、そんな歌なのかな…

そしてあえて区切りをつけるなら、この歌までがこのアルバムのA面なのかなと思う。短調の暗いコード進行ではあるが、演奏は楽しそうな、そんな一曲。

 

「あんたの方が素敵だよその辺のやつより あんたを全部知ってるよ目の前のオイラが」

 

 

6.『井戸掘り』

この曲から、このアルバムのB面だと僕は勝手に思っているのだが、ここからの4曲はまあ奈落の底に落ちて、極めて絶望的な、精神的にキツいナンバーがつらつらと続いていく。

『井戸掘り』なんてタイトルからその負のイメージは凄くて、結局最後にそれは歌詞で「墓掘り」であることが明かされる。「セミすら鳴きゃしねえ」炎天下、「君に褒められたかった」主人公が墓掘りかもわからんような井戸掘りを続ける。本当に我が身に痛みが堪える。

 

「サジ投げたって何もないさ 投げれんのかわからないってのが本音さ」

 

 

7.『手おくれか』

大切なものを失ってしまった主人公が、その絶望を歯食いしばって凝視している、そんな歌。行き詰まり、もう晴れ舞台には立てなくなってしまった男の陰鬱すぎるソウルが痛切なほどに響いてくる。

取り返しのつかないことって世の中には沢山あって、そんな状態になってしまうことはとても不幸なことであるのに、自分だけのせいでそのドロ沼にはまっていってしまう。キツイよ…

 

「キレイな目をしてた ビビってオラ逃げたのさ ひとりぼっちか もう戻らないか」

 

 

8.『日本酒を飲んでいる』

ごまかしのための飲酒によって逆に見えてくる、人生に対するむごたらしいほどの諦念が、ぶっきらぼうにかつ感傷的に歌われる。「一人きりで盛り上げて酔っ払って寝る」クソみたいな自分は、それでも日本酒を飲んでいる、ただそれだけなんだよな…

Theピーズらしい、ちょっとひねっためちゃくちゃカッコいいコード進行の絡みつくようなブルース。個人的にこの曲のギターソロは本当に好き。

 

「抜け殻でいいよ なんも欲しくねえよ ほっといていーよ」

 

 

9.『シニタイヤツハシネ 〜born to die』

このアルバムを締めくくる、このアルバムのコンセプトでもあるような大曲。凄まじいほどに追い込まれ、奈落の底から這い上がることもできずにいる人間の、徹底した自己批判が鳴り響く危険なロールの中で繰り返される。

自己批判の内容は、現実にただ打ちのめされた人間にグサグサ刺さる。Vo.大木温之の歌唱もあまりに痛々しい。

ただこの曲でもこのアルバム全体でも、貫かれるメッセージは「生活を続けるしかない」というものなのである。Theピーズは死なないし、死ねない。太宰治とか三島由紀夫とか、ああいう人間とは違うのだ。

僕もTheピーズもいつかは死ぬ(born to die)けど、それを自分で決するような判断はしないし、できないのである。これがTheピーズが示してくれる、生に対する一種の諦念と、それに対する開き直りなのだ。

 

「何遍も思い通りにいかないばかりで とうとういい夢も見れなくなったのさ」

 

 

〜〜〜〜〜

長くなりましたが、これでアルバム紹介を終わります。

誰がなんと言おうと、このアルバムは俺の21歳というクソみたいな青春の一部だし、死ぬまで大切にしたいと思える一枚です。

 

愛を残せたかな。年取った俺がこの文章を見て、21歳の自分が愛していたものを感じ取ってくれれば、そんなに幸せなことはないよ。

 

長く稚拙な文章、最後まで読んでくださりありがとうございました!!